2013年11月30日土曜日

かぐや姫の物語

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かぐや姫の物語観てきました!

竹取物語をベースに高畑勲が大胆にアレンジした作品ですが。
映画の大部分は原作(?)を忠実になぞっていてました。

ただ、後味のよくわからない難しい映画です。

これ、中高生とかが見に行っても何が良いのかわからないと思います。

ご存知の通り、翁が竹やぶでかぐや姫を授かる訳です。
お金や着物なども竹から見つけて、裕福になってその子を姫として育てることになります。
翁は美しく才能なあるその子を姫にするべく一生懸命ふさわしいように育てるわけです。
でも、これはかぐや姫が本心で望んでいることではないのです。
自由で、のびのび生きては生きていけなくなるのですから。

かぐや姫は、月から地球へ落されたわけです。
これは、地球という美しいものも醜いものもある(月は殺風景ですからね)場所を望んだ罪に対する罰なのです。

かぐや姫は単に生き生きと生きたかったのです。

でもそれは結局、地球ではかないませんでした。
その結果最後は、月に戻る事を望んでしまいます。
そして迎えが来て強制送還されてしまいます。

ストーリーだけを追うと、わかりづらい、後味のよろしくない映画なのです。

こっからは独断と偏見に基づく解釈ですが、

これって、アニメですが、若い人への映画ではないんですね、
子を持つ親への映画なんです。

無機質な月から地球へ落とされた”かぐや姫”というのは、

単なる物質から、なんの因果か、人間に生まれてしまった、普通の赤ん坊そのものなんですね。

でも、人として生まれてしまうと、いろんな期待やしがらみによって、単に生きるという事が無視されがちです。(生きるということは苦悩の連続ということもありますし)

親は息子や娘に過剰な期待をして、様々な習い事や勉強をやらせます。
娘をアイドルにしようとする親なんてまさにその典型ですね。

その結果、いつのまにか、生きる喜びをわすれてしまうんです、人の期待に答えるためだけに生きるようになる。

いろんなプレッシャーがありますよね、例えば、何歳までにこれぐらいの水準の人と結婚しろみたいな。(かぐや姫の物語って、半分はお見合いのはなしですから。幸せならいいじゃないかと思うけど。)

何のために生まれてきたのか本末転倒になっている。

僕はこんな解釈をしながら、帰路につきました。


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2013年11月27日水曜日

生き残るだけなら頭より行動力

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研究者で成功している人は知力と行動力の両方を兼ね備えています。

まあそれは、そうなんで、当たり前だというわけですが。

准教授ぐらいのポジションをうろうろするなら、行動力だけで良いみたいです。

抜群に頭が良いけれども、行動力がないという人は、あまり見かけません。行動力がないということは、誤魔化しのきく成果すら生み出すことができないからでしょう。

一方で、研究センスゼロの人でも、結構、准教授レベルだとうようよしています。ただそういった人は行動力・交渉力が抜群だったりして、教授にとって都合の良い人みたいです。

まぁそういう人生もどうかと思いますが。
(なにがつらいって、学生が裏で馬鹿にしちゃいますもんねぇ。)
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2013年11月26日火曜日

国立大学改革プラン:若手研究者は大チャンス?

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文科省が国立大学改革プランなるものを出しましたね。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/11/__icsFiles/afieldfile/2013/11/26/1341852_01_4.pdf

注目すべきは人事・給与システムの弾力化のところで

国立大学法人運営費交付金の必要額を確保し
た上で退職手当にかかる配分方法を早期に見直
し、競争的資金における間接経費の確保
• 改革の取組への重点支援に際して、年俸制等の
導入を条件化、適切な業績評価体制の確立
シニア教員から若手・外国人へのポスト振り替えを積極支援→ 1万人規模で年俸制・混合給与を導入
若手・外国人に対し、1,500人の常勤教員のポストを政策的に確保することを目指す

若手にとって給与の弾力性とかはどうでもいいかもしれない(2千万円の給与が欲しいという研究者がどれほどいるのかな?)。

朗報になるかもしれないのが、若手・外国人に対し、1,500人の常勤教員のポストを政策的に確保することを目指すでしょう

文字通りとると、1500人の常勤ポストが増えるということでしょうから、これはチャンスかもしれませんね。
しかも、シニア教員からの振替ということですが、どうやるんでしょうか?シニア教員の首を切るわけにはいかないでしょうから、その分の予算を文科省が出すということでしょう。

*ちょっと聞いてみたところ、例えば定年退官した教授のポジション分の給与を2人分の助教の給与として雇うなどすることにインセンティブを与えるというようなやり方などではないかと。そのような制度を作る大学を文科省が優遇するということみたいですね。

その場合、外国人研究者がそれほど、来るとは思えませんから、結局この枠は若手研究者によって埋まると予想します!

ポスドクの数が1万5千人〜2万人といわれていますから、1割ぐらいの人にチャンス到来と行くような気がします。

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2013年11月15日金曜日

研究者として生き抜くために(逆張りのすすめ)

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逆張りのすすめを書きたい。

世の中、あっちへ振れればこっちに戻る。
行きつ戻りつしている。

ちょうど一年前、日本は不景気のまっただ中、
日経平均株価も8000円から9000円台という悲惨なものだった。

そのとき、僕は、下がってもしれてるだろうと、全財産を株券にかえた。
別に確信があったわけではない、ただいつもやるように逆張りしたのだ。

貨幣だって日本という国の信用の上にたっているだけだ、
別に、企業の価値・信用の上にたっている株とたいした違いはない。

認識の問題なのだから。

現在、日経平均株価は15000円、まあ儲かった。

研究だってそうだ、ブームの研究はそう続かない。
誰も見向きもしないところから次の芽は出てくる。

応用研究が大切だと応用研究ばかりに予算がついた後、数年するとやっぱり基礎研究が大切なんだと巻き返しが起こる。
本質的にはどっちも大切なんだから、そりゃどっちかに偏れば、振り子のように次は逆に行ってバランスを取るようになる。

別の例だが、
アカデミアのキャリアを心配している向きには、次のように考える事をお勧めする。

これだけ、アカデミアのキャリアの不遇が新聞報道されれば、優秀な学生はそのキャリアパスを選ばないだろう。
(いわゆるポスドク問題の影響だ。)

でも、これだけ騒がれたおかげで、この世代は真空地帯である。
優秀な同世代の研究者と競争する必要はない。

自然とアカデミアのポストを穫る事が容易になるだろう。

結局、人が群がるところ、何かのブームは遠目で見て、自分の感性を信じて”正しい”行動ができれば、道は開けるのだと思う。
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2013年11月11日月曜日

参考文献はどれを読んでおけばオッケーですか?

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参考文献はどれを読んでおけばよいですかと聞かれると、
全部読めといってやりたくなります。

全部必要なのです、どれかだけでいいわけない。

繰り返されているところは大切だからですし、
それくらいの文献量の消化は必須なのです。

これはどの分野にも当てはまると思います。
何かを習得したいと思ったら、
そこに関連する本をひたすら全部読んでいきます。
例外はありません。

これくらい読み込んでいくと、全体像を掴む事ができます。
やっと、本質が見えてきます。

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政府、トップ研究者に年俸制 理研など新法人移行で

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http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS09004_Z01C13A1MM0000/

このニュースで気になった事。

トップ研究者の給与があがるとのことで、一見よろこばしいことであるが、
当然大多数の研究員には関係ないことである。
2000万円近い給与をもらうPIと将来に希望を見いだせない若手研究者。
こういった象徴的な制度改正は意識にも大きな変化を与える。
もうメンタル勝負ですな。

・ますます、業績による研究者の差別化がおこる。

・何歳でPIになった事があるかどうかで、将来のポストが決定される。

・キャリアの早期での固定化

どちらかというと、PIとそうでない者との給与格差の拡大は、負の影響のほうがでかい。

ねつ造がどんどんはやるだろうし、
研究成果の誇大表示がますます露骨になる。
(俗物研究者がしゃしゃり出てくる予感)

一流研究者にとって給与がモチベーションに与える影響は小さい。
(だったら、大学4年で卒業して、金融分野にいけば稼げるのだし)


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2013年11月8日金曜日

新興オンライン誌(PLOS ONE, Nature communication, Scientific Reports, E-Life)の戦国時代

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ここ数年、オンライン限定の学術雑誌の発刊が相次いでいます。

PLOS ONE の衝撃のデビュー続いて、

Nature系列でも、
Nature Communications やScientific Reportsなどがでてきています。

PLOS ONEは紙媒体を持たないオンラインのみの雑誌です。
研究手法や根本的な誤りがないかぎり、科学的なインパクトは問わないという方針で運営されています。
著者は14万円ぐらいを掲載料としてPLOS ONEに支払います。
これがうけて、インパクトファクターは思いの他よくなりました。

PLOS ONE
の2012年のimpact factor は3.73だそうです。
2009年の 4.351
2010年の 4.411
2011年の 4.092

から順調に下降気味です。

これは同じタイプの雑誌(競合)が増えたからでしょう。

Nature Communications が10.015
Scientific Reports が2.927

Nature誌はScientific Reports のimpact factor の悪さにおののいて、
Natureや姉妹誌に投稿された論文をScientific Reports に横流ししようとしています。
(PLOS ONEもPLOS BIOLOGYなどにリジェクトされた論文が横流しされることによって、結果的にいい論文がPLOS ONEに掲載されるような戦略をとっています)
まあ研究者もあえてその流れにのってScientific Reportsに投稿するでしょう。
将来的なImpact factorに期待を込めて。
(Natureブランドの威力はそれほど強大です。)

また、マックスプランクとハワードヒューズ(HHMI)の肝いりでE-Lifeなるオンライン誌が創設され、欧米では結構おもしろい論文が投稿されています。

まさに、オンライン総合誌の戦国時代といった様相です。

これからどの雑誌がのびてくるか、見極めて投稿する戦略が必要でしょう。

なんか投資みたいですね。将来の成長を買うみたいな。


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研究者の生き方

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研究者って、どうなんでしょう?

決して有利な生き方と言えないかもしれません。

でも、これからの社会には非常にマッチした生き方かもしれません。

もうなんというか、雇われる生き方に社会が疲弊していると思います。

安定だからといって、市役所で極悪市民の苦情の処理をしたくありませんからねぇ。

格差社会というより2極化社会が訪れていると思います。

生きるのに必死組と、抜け目なく稼ぐ人々と。
(稼ぐ人々にとって国境すら意味をなしません。増税すれば、富裕層は税金の安い国外へ脱出します。つまり、日本の住環境としての魅力と税率が天秤にかけられているということです。易々と増税することができない時代に入っています。)
これが訪れたとき、生きるのに必死組はしだいに極悪市民化していくのでその割合は断然増えていくと思います。

貧すれば鈍するというやつです。

今まで普通の市民を装っていた人々が、貧しくなったとたん極悪になっていくでしょう。

そういった意味でも、公務員になるなんて愚の骨頂だと思うのです。
(悩み多き日々を送る事になると思います。)

というより、そもそも。もう雇われるという時代の終わりの始まりのような気がします。
ネットがこれだけ発達し、誰もが情報発信することができ、ビジネスチャンスは比較的小さな投資で掴むことができるようになってきています。

ちょっと脱線しましたが、そもそも研究者は個人事業主みたいなものです。
自分で成果を上げて世間に認めてもらう必要があります。
それができなければあっという間に職を失います。
しかし、これほど自由な職種もありません。
自己責任・自己完結。
一度味をしめるとこれほど快適な生き方はないと思います。
そういった意味では時代が研究者のライフスタイルに追いついてきたともいえるかもしれません。
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2013年11月6日水曜日

リスクをとって失敗するのはいいことだ

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リスクをとらない、とれない人が増えている。

アカデミアは本来、自分の時間を投じて、不安定なキャリアに甘んじて、リスクをとり、成果を得ようというものだ。

リスクを取らなければリターンはないのだ。

絶対安全という領域から踏み出さない限り、何かがうまくいくということはないのだ。

保身や、忙しいということをいいわけにして何もしなければ、何も生まれない。

そんなことはわかっているだろうけど、
”どんどんリスクを取ること”は得てして、立ち止まっていると、すぐに忘れてしまう。

気がつくと、とんでもなく置いてきぼりにされている。
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2013年11月3日日曜日

補正予算5兆円の行方

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消費税増税による景気腰折れを防ぐための安倍政権による補正予算5兆円の行き先が気になる。

研究業界における影響としては、
基本的には、大型の研究設備の更新・新規購入および、

最先端研究開発支援プログラム(FIRST)の後継施策だろう。

自民党政権はこれを2700億円規模で計上している。

当然、若手研究者用の予算も付随してくるだろうから、

チャンスである。
前回は若手・中堅研究者に2~3年で1億5000万円が配られた。

安倍政権は年末にこの詳細を発表するとのことである。
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